スタッフ&キャスト

 ビートたけし(菊次郎)

浅草に住む、暇なおじさん・菊次郎を演じる。小さい頃両親が離婚し、世間を斜に見たまま大人になり、母のような強さをもつ妻の世話になっている。競輪で旅費を使い果たしあげくの果てには、正男の小遣いも奪ってしまう菊次郎。しかし、素直に信じてついてくる正男を見て、いつしか菊次郎自身が父と過ごしたかった楽しい夏休みを過ごしていく。漫才師として"言葉"の頂点を極め続けるビートたけしと、鋭い視点と研ぎ澄まされた感性を"映像"で表現する北野武。その2つの力が、この作品で菊次郎と正男のお互いの呼び方や微妙な距離感を見事に実現させた。
大島渚監督『戦場のメリークリスマス』(83)、若松孝二監督『エロティックな関係』(92)、ロバート・ロンゴ監督『JM』(95)など俳優としても活躍。初監督作『その男、凶暴につき』(89)以後人間の内面に潜む暴力性や死生観を描いた作品を発表。海外でも評価は非常に高く、前作『HANA-BI』でヴェネチア国際映画祭・金獅子賞を受賞したことは記憶に新しい。この『菊次郎の夏』では母親探しというスタンダードなストーリーを題材に、笑いの中にも懐かしい温かさとほろ苦い切なさで快い涙を誘い、また新たな衝撃を与えるだろう。1947年、東京都足立区生まれ。

 関口 雄介(正男)

おばあちゃんと2人で暮らす小学3年生・正男役。夏休み、遊び相手もなく一人で母に会いに行く旅に出かけるが、ひょんなことから名も知らないおじさん・菊次郎との旅が始まる。正男は、菊次郎を始め途中でふれ合う人々との出会いを通し、現実を受けとめ新たな出発のための楽しい夏休みを過ごしていく。
"正男"は、終始うなだれ感情を表にあまり出さない役。北野監督自身は「演技の上手い子や可愛い子はたくさんいたけど、愛嬌があって見飽きない」と語っている通り、その表情には愛嬌があり関口自身の素直さや素朴さをうまく引き出している。
関口は200人のオーディションの中から選ばれ、映画初出演となる。TBSドラマ「人生は上々だ」でデビュー。以降TVを中心にNTV「ぐるぐるナインティナイン」(ちびっこ調査隊)他、ラジオCM・小学館「おひさま」に出演。また、市川猿之助のスーパー歌舞伎「龍神伝」(98)の勘太役で初舞台を踏む。1989年、神奈川県生まれ。

 岸本 加世子(菊次郎の妻、近所のおばさん)

菊次郎の妻・美紀役。世話好きで他人を放っておけない典型的な下町の女性。そんな性格だから正男のことも気遣い、旦那の菊次郎に一緒に行くよう世話をしてしまう。
1976年テレビの公開放送の現場でスカウトされ、77年TBSドラマ「ムー」でデビュー。その後、TBS「ムー一族」(78)、NHK「あ・うん」(79)等に出演。同年、久世光彦監督『夢一族/ザ・らいばる』で映画デビューし、山田洋二監督『男はつらいよ/寅次郎紙風船』(81)、篠田正浩監督『悪霊島』(81)、柄本明監督『空がこんなに青いわけがない』(93)、北野武監督『HANA−Bl』(97)など。1960年、静岡県生まれ。

 吉行 和子(正男のおぱあちやん)

正男のたったひとりの家族・美智子役。美智子の娘であり、正男のお母さんが離婚して家にいないことを、「働きに出ている」と正男へ諭す古風なおばあちゃんを好演。女子学院高校卒業後、57年劇団民芸へ衣装係志望で入り、「アンネの日記」主役に抜擢される。唐十郎の「少女仮面」の客演を機に民芸を退団。以後三村晴彦監督『天城越え』(83)、和泉聖治監督『お日柄もよくご愁傷さま』(96)、TBS「ふぞろいの林檎たち」、フジテレビ「天使のお仕事」などテレビ、舞台、映画にと活躍中。父・エイスケ、兄・淳之介は作家、妹・理恵は詩人、母・あぐりはNHKテレビ小説「あぐり」のモデルとしても知られている。東京都生まれ。

 細川 ふみえ(優しいお姉さん)

1990年MISSマガジン・コンテストでグランプリ獲得。現在はTV、映画などタレント、女優として活躍中。NHKの大河ドラマ「八代将軍吉宗」(95)、NHK「あぐり」(97)、同年栗山富雄監督『釣りバカ日誌9』等に出演。この『菊次郎の夏』では、菊次郎と正男が旅の途中で出会うカップルで出演しているが、正男に優しく接する女性を温かく演じている。1971年、千葉県出身。

 麿 赤兒(こわいおじさん)

1964年より舞踏家土方巽に師事。その間、唐十郎とともに「状況劇場」を設立し、71年退団。72年、舞踏集団「大駱駝艦」を結成。海外でも高く評価される。 その後も舞踏家、俳優、演出家としても活躍を続ける。崔洋一監督『月はどっちにい出ている』(93)、新藤兼人監督『午後の遺言状』(95)、篠田正浩監督『瀬戸内ムーンライトセレナーデ』(97、サブ監督『ポストマン・ブルース』(97)他。奈良県出身。

 ザ・コンボイ
(エンターテイメント・クループ)

歌、タップ、ダンス、絶妙な台詞まわしでトコトン観せ、聴かせ、笑わせ、泣かせる徹底したスーパー・エンターテインメント・バラエティー・ショウ「ザ・コンボイ・ショウ」を中心に活動中。現在メンバーは8名。作、構成、演出を手掛ける優しいおじさん演ずる今村ねずみをリーダーに喫茶店でタップをしている二人に舘形比呂、瀬下尚人、お祭りで出会う天狗に橋本拓也と石坂勇、ホテルの支配人に右近良之、カップルの男性に黒須洋壬、グランドの管理人に徳永邦治。各々の実力を買われ、その個性にあわせた役柄を見事に演じている。

 グレート義太夫(デブのおじちゃん)

ドラム、ギターなどの音楽センスを買われ、たけし軍団に入団。持ち前の体型を活かしてTVを中心に、コラムの執筆などで活躍中。日本テレビ「スーパーJOCKEY」、フジテレビ「足立区のたけし、世界の北野」等に出演。本番直前に届いたカスタム・バイクに悪戦苦闘していたが、「本番!」の声と共に気持ちよく乗りこなし、一発OK。正男のためにいろいろ試みるが、正男を理由に自分も楽しんでしまう、気のいいおじちゃんを熱演。1958年、東京都生まれ。

 井手らっきょ(ハゲのおじちゃん)

水谷豊、アントニオ猪木などのものまねタレントとしてデビュー。その後、たけし軍団に入団。学生時代100メートルを10秒89で走るなどの抜群の運動神経とスキンヘッドの明るいキャラクターを活かしTVを中心にビデオ、映画に多数出演。デブのおじちゃん・グレート義太夫と共に正男の遊び相手となるが、体を張った演技?!はさすが。日本テレビ「スーパーJOCKEY」他、北野武監督『3-4X10月』 (90)。1959年、熊本県生まれ。

 
 音楽監督 : 久石 譲

北野武監督とは1991年の『あの夏、いちばん静かな海。』以来、今回の『菊次郎の夏』で5作品目。今や北野作品の音楽監督としては欠かせない存在。国立音楽大学作曲科に在学中より現代音楽の作曲家としての活動を始め、卒業後の82年、ファースト・ソロアルバム「INFORMATION」を発表。ジャンルにとらわれない、独特のスタイルを確立。映画との関わりは、宮崎駿監督の『風の谷のナウシカ』から。以降『水の旅人』(大林宣彦監督)、『もののけ姫』(宮崎駿監督)など多くの作品の音楽を手掛け、92年より3年連続日本アカデミー賞最優秀音楽賞を始め、数々の音楽賞を受賞。また、自身のアルバム「Piano Stories」「WORKS・I」「Nostalgia」等をリリースする一方、ピアノ・ソロ、アンサンブル、オーケストラとのシンフォニック・コンサートなど様々なスタイルでのコンサート活動も行う。海外も含め、幅広い層より支持を得ている。

 

 

 

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