大阪市中央区

新歌舞伎座の歴史は、1925（大正14）年10月1日に東京市下谷区上野桜木町（現・東京都台東区上野桜木1丁目）に開場したことに始まります。初代の建物は耐震性に優れることを目的として鉄筋コンクリート造り3階建てで、設計は当時帝国劇場の建築を行っていた竹中工務店の設計部長だった岸田日出牛が担当しました。観客席は花道から左右に分かれた定員1,686人の桟敷席と、その奥にある椅子席で構成されており、総工費は25万円でした。 新歌舞伎座は、当初は九代目市川團十郎を座頭に据えた「新歌舞伎」を上演する劇場として建てられましたが、1932（昭和7）年には歌舞伎座が火災で焼失したため、同年12月からは歌舞伎が上演されるようになりました。1945（昭和20）年3月の東京大空襲で初代の新歌舞伎座は焼失しましたが、1950（昭和25）年10月に現在の場所に2代目新歌舞伎座が再建されました。 2代目新歌舞伎座は、初代よりも規模を拡大し、総工費は1億2,000万円でした。座席数は1,948席で、花道から左右に分かれた桟敷席と、その奥にある椅子席で構成されています。また、2代目新歌舞伎座は日本初の冷暖房完備の劇場であり、当時最先端の設備を備えていました。 2代目新歌舞伎座では、歌舞伎のほかにもバレエやオペラ、コンサートなど様々なイベントが開催されています。また、新歌舞伎座は映画館としても使用されており、1950年代には日活の映画が上映されていました。 1994（平成6）年、新歌舞伎座は重要文化財に指定されました。現在は歌舞伎座と並ぶ東京を代表する劇場として親しまれており、多くの歌舞伎ファンや観光客が訪れています。