「涙のバースデイ・パーティ」誕生秘話
誕生の背景
「涙のバースデイ・パーティ」は、1962年に発売されたシングルである。作詞は永六輔、作曲は中村八大、編曲は川口真。この曲は、1962年公開の松竹映画『涙を誘う離別歌』の主題歌として使用された。
この映画は、1960年に発生した「三池争議」を題材にしており、炭鉱労働者のストライキと生活を描いている。永六輔は、この映画を観て「炭鉱労働者たちの生活の苦しさと悲しみを歌いたい」と思い、この曲を作詞した。
中村八大は、永六輔から歌詞を受け取って作曲を開始した。中村は、永六輔から「炭鉱労働者たちの労働歌のような曲にしてほしい」と依頼されており、その通りに作曲した。
曲は完成した後、歌手の候補として美空ひばりが挙がった。美空ひばりは、永六輔と中村八大が信頼する歌手であり、この曲にぴったりの歌手であると考えられた。美空ひばりもこの曲を気に入り、レコーディングを引き受けた。
レコーディングは、1962年1月に東京の日本コロムビアで行われた。美空ひばりは、この曲を一発で完璧に歌い上げた。レコーディングが終わった後、永六輔と中村八大は「美空ひばりが歌ってくれて本当に良かった」と語った。