忘れ去られた島、「薮路木島」の物語
薮路木島は、かつてオゴの特産地として栄華を誇っていました。オゴとは、海藻の一種で、干物にして食用にしたり肥料として使用したりするものでした。薮路木島は、オゴの好漁場として知られており、多くの漁師が暮らしていました。島には、オゴを干すための棚や、オゴを貯蔵するための倉が林立し、島の経済はオゴに依存していました。
オゴは、非常に高価な海藻で、江戸時代には1キログラムあたり100文以上で取引されていたそうです。そのため、薮路木島は裕福な島として知られており、島の漁師たちは、オゴ漁で生計をたてていました。
しかし、大正時代になると、薮路木島のオゴ漁は衰退し始めました。これは、化学肥料の普及によってオゴの需要が減少したことや、オゴ漁の漁法が乱獲を招いたことが原因でした。オゴ漁の衰退とともに、薮路木島の経済も衰退し、島の人口は減少していきました。
現在、薮路木島は過疎化が進み、島の人口は100人を切っています。しかし、島にはかつてのオゴ漁の栄華を偲ばせるような建物が残されており、島の歴史を物語っています。